「ミト、シリウスに向かって飛べ!!」は、風の谷の
ナウシカ。全天で最も明るい星・シリウスは、おおいぬ座
のα星。日本名・犬星。中国名・天狼星。8.7光年と、
太陽系から5番目に近い恒星である。亜光速の宇宙船ならば
来れる距離と言っていい。
主星のシリウスAは-1.43等星で太陽の20倍の
明るさ。伴星のシリウスBは白色矮星で大きさは地球
程度。質量は太陽位。密度は水の13万倍。鉄の1万
6千倍。8.7等星と極端に暗い。1995年フランスの
天文学者が、小さな赤色矮星シリウスCを発見した。
アフリカにはドゴン族をはじめ、ボゾ族、バンバラ族、
ツツィ族などにシリウスに関係する神話伝承がある。特に
現マリ共和国のドゴン族は、神の存在、肉体の死と魂の不死、
輪廻転生について語り、主星のシリウスAをさしおいて、陰の
見えないシリウスBを「すべての創造が始まった星ポ・トロと
して崇拝。さらに私たちの先祖はシリウスC「エンメ・ヤ」の
惑星「ニャン・トロ」から回転する船に乗って地球に来た
知的生物「ノンモ」であるという。ノンモはシュメールに文明
を伝授したオアネス(魚神)と酷似しているという。
古代エジプトはこの星をナイルの星として重要視し、1年
365日4分の1のシリウス暦を作成していた。古代エジプト語
のソティスとして神格化され、女神イシスの化身とされた。
エジプト神は金髪・青い目で、土着のハム系エジプト人は
黒髪で褐色の目であり、明らかに違う人種である。BC3600年頃
の初期先王朝時代のエジプトは、クロマニオン人、ネグロイド人、
地中海人などから成る混成人種で、黒人に相当する人種はいなかった。
土着のエジプト人は細々と農業生活を営む原始的集団で、彼らの
頭上を科学・医学・数学・天文学などが高度に洗練された高い
知的水準のエジプト人が通過していった。文明は最初から完璧
だった。アトランティスの遺産と言われる所以である。
エジプト神話は原理の人格化であり、元型的エネルギーと言える。
真の宇宙創成主トト(ネフティ)は、世界創造の業を「声=波動」だけで
行った。科学・数学・地理・測量・天文学・預言・魔術・医学・
手術・音楽・文学などに広汎な業績がある。魔術の目的は霊魂の
精神的変成と進化。MAGICの語源であるMAGIの叡知とは、ペルシャ・
カルディア・エジプト・インドなどで宗教と天文学を極めた
人類の叡知の父。病人の癒しと奥義の保存が仕事だった。
アヌビスは霊魂を冥界に導く案内人。現世と来世の仲介者。姿は
ジャッカルで、精神科医・麻酔科医・心理学者の庇護者。混乱や
疑念の迷路に迷い込んだ者の救済者である。自己認識とは自己の
宇宙的ルーツを認識することにある。だが人は思考と観念の幻想
の迷路に囚われやすい。
プタパはエネルギーを物質に変換する宇宙の建築家として、フリー
メーソンから敬愛されている。プタパの結び目とは、神の世と
人の世を結ぶ7つのチャクラ。メーソンはSONIC(音波・音声)から
来ている。妻のセクメトは物質をエネルギーに転換する。息子の
ネフェルテムはエネルギーを和解させる力を持つ。宇宙エネルギー
は非人格的であり、人間に利用されてはじめて「人格・色彩」を
持つのだ。そう、シリウス・アトランティス系魔術は心と脳を
霊魂の道具として利用する波動科学なのである。
すべての生物はその個体の基調音を持っている。あらゆる分子構造
には、それ特有の音声がある。その音声を操作し、癒しと変成の
力にする。人間を治癒する。イエスも体得し、行った業である。
シリウス・アトランティス系魔術は水晶も利用した。それは
エネルギーの貯蔵庫であり、核融合の触媒物質だった。現代人に
とっても高度な理解力が必要だろう。