Quantcast
Channel: 歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 176

ヤハウエとイナンナ

$
0
0

小説「アストラルの森」の執筆の
そもそもはNHKFM「日曜喫茶室」に登場した誰かが、旧約
性書の主題は、ヤハウエとイナンナ(イシュタルょの闘争
なんですよ、という言葉に始まる。




http://www.amazon.co.jp/-/e/B00GYN536S




なるほど失楽園神話は、女と蛇と大地を悪魔として
呪詛することから始まる。
それはやがて、放浪のユダヤ人が乳と蜜の流れる大地に
住む定住カナン民への呪詛に受け継がれてゆく。さらに
キリスト教のパウロ神学によって、イエスは神の子羊
としてセックスから極端に切り離され、現在に至って
いる。

一方のマザーアース(大地母神)イナンナ、イシュタル、
アスタルテ、キュベレなどは、男女一対の性愛の女神
である。人類史におけるこの対立はメインテーマに
もってこいだった。

イナンナと夫ドゥムジの愛は「彼の手はわが手とつながれ、
彼の心はわが心と結びつく。手に手を取って眠ることは
喜ばしく、心と心が結合することはさらに喜ばしい」
とある。

だがその一方でイナンナは、実兄ウトゥとも関係を重ねる。
「わが愛しき者と関係を分かち合う。わが兄はわれを
寝床へと導き、ともに舌をからめ、ともに愛す。美しき
兄はわれを50回にわたり愛した。」

となかなか濃厚な南国の角津の甘さを感じさせる。こりゃ
ユダヤ・キリスト教世界と対立するよなぁ。


父性原理の代表である最高神ヤハウエに関して、
ナグ・ハマディ写本曰く、ヤハウエ(エホバ)は唯一(最高神)
ではないといっている。ヤハウエが

「我は神なり。我の他に神なし」と述べた時、
「サマエル(盲目の神)よ、あなたはまちがっている。不死なる
光の人(アンドロポース)があなたの前に存在している」という
怒った声が天上から聞こえてきたという。

またヤハウエが
「我は妬む神なり」我の他に神なし」と述べた時、ヤハウエ自身、
自分以外に神が存在したことを示したと記している。

また、母なる神が男性原理のシンボル・ヤハウエに対して
「嘘をつくのはやめよ」と叫んだともある。神話世界でも男と
女はややこしい。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 176

Trending Articles