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「今昔玉手箱1~3」好評発売中
○今昔玉手箱/http://mo-v.jp/?dee1
明治初期創業・木村屋のあんぱん普及の背後に、清水の次郎長の
活躍があった(あんぱんマン伝説)」など深くて渋い歴史的
エピソード満載。意外性のショットガン。
本格歴史エンターテーメントのエッセイ集第一弾
●蔵の章(意外な面白話あれこれ)
・あんぱんマン伝説/明治初期創業の銀座木村屋あんぱん
普及の背後に、清水の次郎長の活躍があった。
・パン/普段何気なく口にしているパンという言葉はポルトガル語
であって、英語のブレッドではない。この辺に歴史の奥深さがある
・江戸城事始/徳川家康が入府した頃の江戸は、人の住めない
大湿地帯だった。家康は神田山を崩して湿地を埋め立て、大都市の
基盤をつくり上げてゆく。
・いい湯だな/日本人の温泉好きは、縄文時代にまで遡る。
「男も女も老いも若きも大勢がうちとけて酒を飲み、歌い踊りて・・」
とは、出雲国風土記~玉造温泉の情景である。
●幻の章(おとぎ話や妖怪の事など)
・桃太郎/桃太郎が退治した「鬼」の語源は隠(おん)」。隠れた
存在の総称である。地下に埋もれた鉱物と鬼の関係もかなり深い
・おに/人の心の闇には「鬼」が棲むという。人を怨み呪う感情は
怨霊や生霊となって、人々をホラーの世界へと招く。
・妖女伝説/その昔、中国・印度の王たちを惑わせた狐がいた。狐は
平安朝の日本で、玉藻前という絶世の美女に化け、源平争乱の種を蒔く
・ゲゲゲのゲ/生前ただならぬ怨みを抱いたまま死ぬと、その魂は
「怨霊」になるという。日本の3大怨霊と言えば、崇徳院、平将門、
そして菅原道真である。
・何か妖怪/河童や狐狸妖怪に歴史あり。日本は古来より、
諸天善神・百鬼夜行入り乱れるイマジネーション大国だった
●星の章(人と天体の奥深い関係)
・星の時計/古代シュメール、インダス、エジプト、マヤなどの文明
では、精密な天文学が構築されていた。そしてそれは多くの謎と
神秘を含んでいる。
・和時計/日本に「漏刻」という水時計が導入されたのは、奈良時代の
事だった。手先の器用な日本人はさまざまなからくり時計を
開発してゆく
・星占い/古来より夜空に輝く星々は、神々の住まう領域だった。
神々は大自然の法則を支配し、国や人間個人の運命を左右する
存在だった。人々は星の動きを観察し、目に見えぬ運命という
ものを捉えようとした
・冥王星/西洋占星術において、さそり座に守護星の冥王星が入ると、
250年に1度の大革命が起こると言われる。ルネサンスも
産業革命もこの時期の出来事だ。そしてIT革命が始まった
●心の章(人の心は美しくも狂おしい)
・桜/日本人は桜好きである。平安から江戸期にかけて、歌に
詠まれた桜は山桜だった。散る桜の美学ではなく、咲き匂う
生命の輝きを詠んだのである。
・木の匠/法隆寺金堂を再建した昭和の宮大工・西岡常一。匠の業と
知恵の奥深さは、効率第1主義の虚しく脆く薄っぺらい文明を笑う
・剣豪伝説/剣豪/塚原朴伝。室町13代将軍・足利義輝。無刀取りの
柳生石舟斎。宮本武蔵以外にも、すごい剣の達人たちがいた
・狂れ心(たぶれごころ)/狂とは日本古語で「たぶれ」と読む。狂れ心
とは、創造への情熱が洪水となって溢れ出す一種の狂気である。その
狂気は哀しくもあり美しくもある。
・心優しき文化圏/古代アイヌや沖縄・南太平洋諸島や南北アメリカ
先住民には、障害者と共に生きるノーマライゼーションの精神が
存在していた。
●海の章(海はロマンと伝説の宝庫)
・亀/浦島太郎が文献に登場するのは日本書紀。舟で釣りをしていた時、
大亀が現われ仙女に変身。2人は海中の理想郷に向かうのであった
・壇ノ浦/平家の副将・平知盛は、味方の軍船500隻と共に、
関門海峡で源氏方300隻を迎え撃つ。だが潮流反転と共に平家の
命運は尽き、壇ノ浦で滅亡する。
・武士の情け/戦艦大和の第2艦隊は、帳簿外重油を満載して、
最期の戦闘へ出撃していった。
・大救出/三船敏郎主演の映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」は実話
である。アリューシャン列島キスカ島守備隊5200名の将兵は、
濃い霧に紛れて米軍の厳重な包囲網をかいくぐり、全員無事救出
されたのである。
・海/古代から18世紀頃まで、船乗りたちは大海原を自転車で
行くが如きスピードで航海を続けていた。人も財宝も思想も、
船によって運ばれた。海は航海者たちの見果てぬ夢で満ちている
●西の章(オリエンタルなお話)
・太古の蛇/かつて太平洋上には、伝説のムー大陸が存在して
いたらしい。民族のトーテム(守護神)はナーガ(竜蛇)だった。
・バール神/古代オリエント世界で広く信仰されていたのは、
牛神バール。やがてバール信仰は、東方の島国日本にも上陸。
ナーガ(竜蛇)を退治したスサノオ神話に象徴されている。
・東方へ/アレクサンドロス大王のペルシャ遠征が、中国「秦」
の国力を充実させ、始皇帝による統一を実現させた。その
余波は、弥生時代の日本にも及んだ。
・秦家の一族/秦始皇帝の末とされる「秦氏」が、朝鮮半島
から渡来し、日本に神社を創建。秦支族の中臣氏は、藤原氏
の歴史をつくってゆく。
・聖書/世界のベストセラー「聖書」は、古代オリエント世界
の詳細を記した、4000年の歴史書でもある。
・ムーサの都/クレオパトラが愛したアレキサンドリアという
街は、学問と芸術で栄え、大図書館には古代の叡智50万巻
のパピルス本が集積されていた。だが紀元後、それらはキリスト教
やイスラム教の狂信者の手によって火葬されてしまうのだった。
・ケルト巴/ケルトとは、ローマ帝国以前のヨーロッパ全域を
支配していた先住民族である。彼らは物質的にも精神的にも、
高度な文明を保持していた。彼らが信じた魂の不死は、3つ
の渦巻きに象徴され、日本では「巴紋」として知られている。
●闇の章(人間の陰謀と戦いの断片)
・長屋王/無実の罪によって殺された長屋王の怨霊が、藤原
4兄弟を相次いで病死させた。怨霊を恐れた聖武天皇は、東大寺
大仏建立に着手する。
・ほたる/神風特別攻撃隊。零戦に250キロ爆弾を抱かせて、
米艦船に体当たりする決死の作戦である。私が死んだらホタル
になって戻ってくる。ある特攻隊員の哀切なる話が、今に語り
継がれている。
・終戦まで/1945(昭和20)年8月6日、広島に原爆投下。
15日の終戦までの9日あまりの間、軍首脳は何を考え、どう
動いたのか?
○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。
○今昔玉手箱2/http://mo-v.jp/?dee2
人間精神の光と闇。前半は医療・福祉の立場から命を見つめた
高松凌雲らの人物像に迫る。
後半は人類史の負の遺産、ユダヤ人虐殺と原爆投下のレポート
である。辛く苛酷な現実だが、通り過ぎる事は出来ない。本格
歴史エンターテーメントのエッセイ集第2弾
●慈悲の章(医療・福祉史)
・古代医療伝(アショカ王・聖徳太子)
「戦争とはかくも惨たらしい行為だったのか」
悔い改めた王は、世界史上稀な愛と平和の実践者になった。
古代インドのアショカ王である。特に医療福祉政策においての
業績は、特筆に価する。日本では、聖徳太子がその業績に並ぶ。
・福祉僧・忍性
聖書にも登場するハンセン病は「絶望」の代名詞だった。壮絶な
差別の実態を理解するには、想像力が欠かせない。彼らは「非人」
と呼ばれていた。鎌倉時代の執権・北条時宗の時代に「非人救済」
に生涯を捧げた僧がいた。名は忍性。丸顔の柔和な人物だった。
・戦国南蛮医療伝(ルイス・アルメイダ)
大航海時代のヨーロッパ宣教師たちは、万里の波涛を越え、世界
各地に散った。その中には西洋医術普及のさきがけとなった、
ルイス・アルメイダもいた。彼らの医療・福祉活動に焦点をあてる。
・幕末南蛮医療伝(上)/緒方洪庵と適塾の事
江戸時代「西洋の書物を読むと目が青くなる」とか、「西洋人に
触ると手が腐る」と噂されていた。そんな時代に南蛮医学を学び、
大阪に「敵塾」を創設した緒方洪庵。門下からは福沢諭吉をはじめ、
明治をつくった男たちが数多く輩出した。高松凌雲もその1人だった。
・幕末南蛮医療伝(中)/国際赤十字誕生の事
高松凌雲は徳川幕府の使節団と共にパリに渡った。パリ万博の会場で、
彼は国際赤十字という組織の事を知る。創始者の名はアンリ・デュナン。
夢物語を実現させてしまった男だった。
・幕末南蛮医療伝(下)/函館戦争の事
幕府軍、薩長軍に敗れる。パリの高松ら一行は帰国を決断する。やがて
高松は榎本武揚率いる幕府艦隊と共に江戸を脱出して蝦夷地を目指す。
高松は敵味方の区別なく戦傷者を治療する。
・人は情けの下に棲む(大原孫三郎伝)
岡山県倉敷市の大原家は、江戸時代から続く豪商だった。倉敷紡績の
若旦那・孫三郎は、東京・吉原で遊興三昧と膨大な借金をつくる。
だがやがて自らの天命に目覚め、社会福祉事業に着手する。倉敷中央病院
も大原美術館も、創設したのは孫三郎である。
●闇の章
・ユダヤ受難史/ナチスドイツはユダヤ人約600万人を虐殺したと
される。だがヨーロッパ社会は1千年以上、執拗に彼らを迫害し続けて
きた。ユダヤ人に限り、その理由は明確だ。彼らはキリスト教徒に
とって、イエスを十字架に架けた悪魔だったからである。
・原爆1/マンハッタン計画
20世紀は「核」の歴史でもある。ナチスドイツの「悪」に対抗
すべく、より強力な武器の開発が進められた。原子爆弾である。
アメリカ大統領ルーズベルトは、天才科学者オッペンハイマーを
チーフとする原爆開発チームを編成し、20億ドルの予算を投入した
・原爆2/B29
原爆実験が成功した時、ヒトラーは自殺し、ナチスは滅んでいた。
ルーズベルト大統領も急死し、副大統領トルーマンが後任となった。
残る敵は大日本帝国。日本空襲用に開発された超重爆撃機
B29が日本上空を埋め尽くす。
・原爆3/エノラ・ゲイ
日本への原爆投下作戦が水面下で着々と進行していた。投下
第1目標の京都は、陸軍長官の反対によって、新潟は遠すぎるから
中止になった。代わって「長崎」が浮上した。
・原爆4/広島
1945(昭和20)年8月6日午前8時15分17秒。ついに
原子爆弾「リトルボーイ」が広島上空に投下された。地上に
摂氏数百万度のファイアーボールが出現した。一瞬で街は壊滅した
・原爆5/命の水
原爆の惨状は言語を絶する。たとえ著者に体験が無かろうと、
やはり書き継ぎ、語り継いでいかなければならないだろうと
思っている。
・原爆6/長崎市浦上
8月9日午前11時02分。長崎市浦上上空で2発目の原子爆弾
「ファットマン」が、核分裂反応を起してファイアーボールを発生
させた。大日本帝国の最高指導者たちも、ようやく無条件降伏に
向けて動き出す。
・原爆7/原爆投下はなかった
8月15日正午、昭和天皇の玉音放送によって、日本は無条件降伏
した。日本を占領した米軍は、数々の民主化改革を断行する一方で、
原爆に関する報道を規制した。原爆投下の惨状は、日本人からも
遠ざけられた。終戦から数十年を経て広島を訪れた写真家の土門拳は、
放射能被爆の現実に青ざめた。日本人すら原爆を忘れていたのだ。
・原爆8/ヒバクシャ
米ソ冷戦。2000回以上の核実験。増え続けるヒバクシャ。核の
使用は国際法に違反しないと言い張る日本政府。そして20世紀が
終わり、21世紀へ。核拡散と原爆に関する無知は相変わらず続いて
いる。
○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o。
○今昔玉手箱3/http://mo-v.jp/?dee3
古代ギリシャの円形劇場は、医療施設の一部だった
(エピダウロス・スピリット)」「トルコ東部のアララト山に
ノアの箱船があるという。真相やいかに?(箱船伝説)」など
古今東西の深くて渋い深くて渋いエピソード満載。意外性の
ショットガン。本格歴史エンターテーメントのエッセイ集第3弾
●スピリットの章
・エピダウロス・スピリット
古代ギリシャの円形劇場は、医療施設の一部だった。ヒポクラテス
の「癒しのテクネー」が21世紀に蘇る
・火の鳥
手塚治虫作「火の鳥・未来編」。生命とは何か?手塚はその答えを
「コスモゾーン」という概念に集約する。総体としての人類は賢か
愚か? その答えは未来にある。だが未来は予測出来ない。未来を
創造することが最良の「知」である。
・プロメテウス
全能の神ゼウスに逆らってまで、プロメテウスは人類に神の火を与え、
文明を伝授する。これに対抗してゼウスは、彼の弟エピメテウスに
パンドラを妻として与え、銀の小箱を贈る。人類文明の未来とは?
創造と破壊が拮抗する。
・禅とは・・・
禅の初祖は釈迦10大弟子の1人、マハーカーシャパである。
禅は彼の沈黙と笑いから始まった。禅はやがてインドから中国、
そして日本へ。ダルマさんがころんだ・・・
・お茶
禅とは「喫茶去(きっさこ)」である。まあ、お茶でも飲んでいきなさい
・・・くらいの意味である。諸君、おわかりかな?
・月光力文明
インド・ミティラー地方の民俗画を触媒にして国際交流を続けている
男・長谷川時夫。作家・夢枕獏は、新潟県十日町市の山奥にある
その美術館に通い、そこで得たイメージを「上弦の月を食べる獅子」と
いう小説に結実させる。精神の異分野コラボレーションの発信基地
・密教伝承
弘法大師・空海には2人の師がいた。1人は唐の国師恵果和尚。
もう1人がアフガニスタン生まれの般若三蔵である。知られざる
高僧の、渋いエピソードを紹介する
・イエス・キリスト
世界一の有名人は一体どんな人物だったのだろう?
・反逆の矢
革命という名の階級闘争は常に血の海だが、個人的な「反逆」は、
どこか清々しく美しい。
●ダークマインドの章(人の心は複雑怪奇)
・善意で人を殺す
人は特定の信念なり信条なりを自分で真実と認めると、ひたむきに
信じ続ける習性があるらしい。たとえそれが殺人という行為だった
としても。
・宗教的狂乱
1995年に起きた「オウム真理教事件」。彼らはカルトと呼ばれる。
彼らの本質とは何なのか? 歴史的側面からアプローチを試みる。
19世紀中国(清)の太平天国の乱や中世ヨーロッパの十字軍との
共通構造を探る。
・世紀末の記憶
宗教と洗脳について考察すると、国家神道・大日本帝国の姿が浮上
する。「孤立・妄想・自己中心性・洗脳・粛清・マニュアルの存在」
など、カルト集団の特徴を示すキーワードが全てあてはまるのである
人間心理は複雑怪奇だ。
・宗教的タブー
宗教に禁欲がつきもののようである。神が人間に対して禁止を命じた
のが「十戒」である。このシンプルな律法を裏読みすると、人間の
本質が浮かび上がってくる。やれやれ、人間とは困った存在だ。
・生死迷境
人間は「死」というものをどのように考えてきたのか? 腐乱してゆく
死体を見て、人は「穢れと不浄」の感覚を持ち、暗黒の死後世界を
想像してきた。日本人独特の身体感も存在する。死とは何か?
●オリエントの章(旧約聖書の世界)
・地球大変化(へんげ)
地球はこの45億年の間に変容し続けてきた。全球凍結したり、
酸素が激減したり。そんな中を生命はしぶとく生き抜いて、
現在の我々に至っているのである
・箱船伝説
トルコ東部のアララト山に「ノアの箱船」があるという。あの
大洪水は聖書の中の伝説ではなかったのか? 真相やいかに。
・人間誕生
「人間だけはどうしても私の進化論では説明出来ない」と、
チャールズ・ダーウィンは嘆いたという。まったく我々現代人は、
不可思議な文明と共に生きる不可思議な生き物である。
・アブラハム
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教共通のご先祖様は、旧約聖書
に登場するアブラハムである。今から約4000年前の人物である
・ユダヤ古王国
古代エジプトで奴隷だったイスラエルの民は、モーゼに率いられて
脱出に成功。シナイ半島からカナン平野を放浪する。やがてダビデ王
が統一王朝を建国するのだが・・・
・ユダヤ人史
ところで「ユダヤ人」って何? という素朴な疑問。これを
知らないと世界史は語れない。
・日の丸
日本国旗の「日の丸」が歴史に登場するのは、甲斐国武田家に代々
受け継がれてきた「御旗」である。
・イエスの受難
はりつけにされたイエスの死因は窒息死。それは苦痛が長時間続く、
最も苛酷な処刑法だった。
●黒の章(悲惨な戦争と希望の光)
・真珠湾攻撃
航空戦闘隊指揮官の淵田中佐は、4年後原爆投下直後の広島にいた。
彼は「リメンバー・パールハーバー」と「ノーモア・ヒロシマ」の
板ばさみになった。
・香港攻略戦
太平洋戦争というと真珠湾攻撃があまりにも有名だが、同日同時刻、
英領香港、フィリピン、マレー、シンガポール、ジャワ、ビルマへも
一斉に戦闘を開始したのである。
・印度象鎮魂歌(上)/動物処分命令
上野動物園の古賀園長が召集され、長年飼育係だった福田三郎が園長
代理となった。戦時体制下の帝都東京で福田を待っていたのは、象や
ライオンなどの猛獣を殺せという非情な命令だった
・印度象鎮魂歌(下)/無念の涙
福田や井下の抵抗も空しく、動物処分は実行に移された。絶食して
やせ細り、福田に芸を見せて餌を求めるインド象のトンキー。
職員の誰もが、動物たちのために慟哭した。
・インディラ(上)/ネルーの娘
「妹に象を見せたい」という小学生の投書が、インド政府を動かした。
ネルー首相は日本の子供たちの為に、インド象のインディラを贈る
事にした。
・インディラ(下)/アーシャとダヤー
象のインディラを地方の子供たちに見せたいと、移動動物園が行われた。
福田もインディラと旅をして、寝食を共にした。インディラは全国の
子供たちに熱烈歓迎された
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○みちのく福袋/http://mo-v.jp/?dee4
「マルコポーロのジパング黄金伝説のモデルは、平泉の金色堂
である(ジパング伝説)」「荒城の月の作詞者・土井晩翠は
180曲近くの校歌もつくっていた(校歌)」など、みちのくに
関係する意外な歴史のエピソードを集めた、深くて渋い
本格エッセイ集。
━東北地方に関連する人物・事件の数々━
●相馬黒光(新宿中村屋創始者)
明治の初め仙台に生まれた星良は、東京帝国大学前に「中村屋」
というパン屋を開く。夫の愛蔵はシュークリームをヒントに
クリームパンを考案し、大ヒット商品になる。
●カリーライス
新宿中村屋の相馬愛蔵は、イギリス政府のお尋ね者、
ラス・ビハリ・ボースを匿った。ボースは愛蔵の妻・黒光に、
本格インドカリーの作り方を伝授。カリーライスとカリーパンは
今も中村屋の看板商品である。
●中村屋サロン
新宿中村屋の創始者・相馬愛蔵・黒光夫妻の周囲には、
明治・大正・昭和を代表する文化人が集まる、何とも不思議な
磁場があった。
●ユネスコ外伝
終戦直後、焼け野原の仙台で、上田康一は「仙台ユネスコ協力会」
という、世界初の民間ユネスコ運動組織を立ち上げた。
●宮城野
プロ野球・楽天イーグルスの球場がある土地は、平安朝の貴族が
萩の花を歌に詠んだ「宮城野」と呼ばれる野原だった。ここに
樹齢1300年程の銀杏の古木が今も生きている。
●松
仙台市の南・岩沼宿に、日本3大稲荷の1社、「竹駒神社」が
ある。奥の細道で松尾芭蕉は、神社北側の「武隈の松」を
めでたき松と称えた。
●八甲田山
1902(明治35)年1月25日、青森歩兵第5連隊210名が
八甲田山で凍死するという事件が起きた。新田次郎が小説
「八甲田山」を書き、映画にもなった。
●国見八景第1景・大崎八幡神社
仙台城下鎮守の、国宝・大崎八幡神社。作家・司馬遼太郎は
「桃山様式を見たければこれを見よ」と絶賛した。
●国見八景第2景・南山閣
明治・大正の頃、国見の一角に「南山閣」と称する別荘があった。
ここに正岡子規、与謝野鉄幹、土井晩翠らが訪れ、詩想を練った
という。
●国見八景第3景・龍雲寺
この寺に寛政の3奇人と言われた林子平の墓がある。子平は
「海国兵談」を著し、海軍の重要性を説いた。この本の重要性を
見出したのは、幕末の吉田松陰であった。
●国見八景第4景・北山五山
仙台藩祖・伊達政宗は、開府と共に北山丘陵に五山を設けた。
資福禅寺開山の虎哉(こさい)宗乙(そういつ)は政宗の師。
光明禅寺にはスペインへの使者となった支倉常長の墓がある。
●国見八景第5景・輪王寺
京都五山の別格が南禅寺ならば、北山五山の別格が輪王寺である。
開山は室町時代。庭園が美しい。
●国見八景第6景・荘厳寺
伊達62万石分裂の危機を描いた。山本周五郎著「樅の木は残った」
荘厳寺には主人公・原田甲斐屋敷の門が移築されている。
●国見八景第7景・大願寺横丁
1945(昭和20)年7月10日の仙台空襲で、1066名が死亡
した。このうち108体が大願寺に葬られた。
●国見八景第8景・芹沢美術館
東北福祉大学構内に、染織家の人間国宝・芹沢銈介の美術館がある。
芹沢は民芸運動の柳宗悦を師と仰ぎ、「型絵染」の技法を極めてゆく
●ジパング伝説
マルコポーロが「中国東方の島国にチパングという黄金の国が
ある」と著書の東方見聞録に書いたが、モデルとなった建物は、
奥州平泉の金色堂だと思われる。
●校歌
荒城の月の作詞者・土井晩翠は、およそ180曲近くの校歌の
作詞を行っている。校歌は世代を越えて歌い継がれてゆく、
隠れたロングセラーと言える。
●小説と史実の間
平安時代末期、平家と源氏、奥州藤原3大勢力が並立していた。
それは和製三国志とも言える。だが奥州藤原氏の国には謎が多く、
実像はあまり語られていない。
●水の味
美味い酒は水にこだわる。ニッカウイスキー創業者の竹鶴政孝は、
北海道積丹半島の余市と、仙台宮城峡に蒸留所を設置した。余市の
水からは力強い男性的なモルトが、宮城峡からは柔らかな女性的な
モルトが生み出されるという。
●北畠顕家
鎌倉幕府が滅び、室町幕府が成立し、南北朝動乱へ。誰が敵やら
味方やら。複雑怪奇に入り乱れた時代。若き貴公子・北畠顕家は
奥州の荒くれ武者を従えて、打倒足利尊氏の兵を挙げた。
●北畠顕信
南朝は崩御した後醍醐天皇の後をうけて、義良親王が後村上天皇と
して即位した。そして奥州平定に向かったのは、戦死した北畠顕家の
弟・顕信だった。
●青葉城
源頼朝が奥州藤原氏を滅ぼして後、多賀城付近は留守氏が、
仙台市一帯は国分氏が支配していた。1600(慶長5)年に伊達政宗が
入府した際、城と街の名は千代から「仙台」に改められた。
●多賀城
弥生時代の東北地方は、異語を話す異民族が住む日高見国と呼ばれて
いた。大和朝廷は広大で豊饒なる土地を求めて軍隊を派遣し、拠点地を
築いて新田開発を行った。大野東人は仙台市北東の地に陸奥鎮所を置いた。
後の陸奥国府・多賀城である