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Channel: 歴史エッセイ集「今昔玉手箱」
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ミトラ・バール神

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ミトラは牛の角を持つ太陽神・大気神で、インド・アーリア人の
光明神・ミトラス神が源流である。ミトラとは味方・友人の意味
で派生語のマイトリーは友情。ペルシャ王朝の守護神ミスラ。
ゾロアスター本人はミスラ神を否定したが、彼の死後に復活。
ゾロアスター教の最高神・アフラ・マズダーと同格の冥界の神。
この神がヘレニズム世界からローマ帝国でも圧倒的人気で信仰
されていた。

ローマのミトラ神話で、ミトラ神誕生の際には、羊飼いに崇め
られた。ミトラ神は信奉者のために多数の善行を施した後、
信奉者たちと最後の晩餐を囲んだ後に昇天。ミトラ神はこの世の
終わりに復活し、人類を裁くと信じられていた。パウロの神
イエス・キリストは、明らかにミトラ神話と習合した神話である。
ヘブル語の救世主がギリシャ語ではキリスト。サンスクリット語
ではマイトレーヤ。中国ではミレフと呼ばれ、日本では弥勒菩薩
となった。

弥勒菩薩と言えば、秦氏の本拠地である京都・太秦・広隆寺の
半迦思惟像が有名だが、太秦(うずまさ)のウズは、ヘブル語で
光・東・開花・文化の意であり、マサは貢物賜物の意。アラム語
のイエス・キリスト(アラム語でイシュ・メシャ)は、東方へ行く
過程でイズ・マシ、ユズ・マシ、ユズ・マサと転訛し、ウズマサ
になったと言われている。広隆寺で毎年10月12日の牛追い
祭りの際、牛の面をつけた摩陀羅(マダラ)神に対して祭文を
読みあげる。秦氏が日本に持ち込んだ「蘇民将来」という護符
の蘇民とは牛の民の意味で、蘇とはシュメールを指す。

なおミトラ教最高祭司の称号「パテル・パトルム」は、教皇
を意味するパパの語源である。もっとも黒のものを白と言い張る
キリスト教の司教たちは「これは悪魔の仕業だ。古代ミトラ教の
伝説は唯一の真の信仰を、悪魔が先取りして真似たものだ」と
して、絶対に認めようとはしなかったけどね。

またキリスト教の復活祭は、フェニキアの愛と豊饒の女神・
アスタルテの祝祭を受け継いだもの。洗礼者ヨハネ祭は、古代
ケルトの夏至祭り。クリスマスはミトラ神の誕生日と冬至の
祝祭が組み合わされたものである。

ミトラ神は牛の角を持つと書いたが、源流はシュメール文明の
天空神アンと、水の神(蛇の姿)キの間に生まれた息子エン・リル
にまで遡る。エン・リルは、牛の角を持つ美男子だったという。
16弁菊花紋と六芒星はバール神の神紋である。16弁菊花紋
は言うまでもなく日本の皇室紋であり、六芒星は平安京、中臣
(藤原)氏の紋である。

このシュメール3神は、「牛の民」と呼ばれたユダヤ民族の間
ではエル神、アシェラ神、ハル神の3神と呼ばれ、特に人間の
守護神・ハルの人気が高かった。ハルはバ(神)ハル=バールと
なり、古代オリエント全域で信仰された。12月24日は
バール神の冬至の大祭であり、バールは死後3日で復活する。
バールは7つの頭を持つ竜神ヤム(海神)と戦い、ヨハネ黙示録
12章3では7つの頭の火竜と戦う。ちなみにアーメンとは、
天上の神バールにダビデ王が捧げた祈りの言葉である。

シュメールのエン・リルは、インドにおいてエン・リラから
インディラ・インドラと転訛した。日本では帝釈天と呼ばれる
神である。中国では斉天大聖・孫悟空。如意棒はバール神の
武器である。中国道教の元始三皇は、盤古と女禍、炎帝神農だが、
炎帝神農は牛の角を生やした天候神で、韓国ではスサ(牛頭天王)。
日本に渡る前に新羅に降臨した神である。これが日本でスサノオ
になったと言われる。スサノオは出雲王朝の開祖でもある。

ヒッタイトの守護神バールは7頭の竜と戦って鉄を手に入れ、
国土を平定したという。また、バール・ハモン=イシュタルは
冬至の日、死んだバールを連れ戻すために冥界に降りてゆく。
天の岩戸隠れの原型はイシュタル(イナンナ)の冥界下りにある
という。


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